扶養内で収めるためには?
家族に内緒で働きたい・・・
チャットレディとして働く方の中には、旦那様や親御さんなど家族の扶養に入って内緒で働いている主婦や学生さんがいます。
そんな方にとって気になるのが「扶養を外れてしまうとどうなるのか?」ということではないでしょうか。
今回は、扶養と配偶者控除について紹介していきます!
扶養とは?配偶者控除とは?
そもそも扶養って?
扶養について
簡単に説明すると、扶養とは、働いていて家計を支えている人が収入の少ない家族を援助・養うことを言います。
扶養に入っていると、健康保険・介護保険・国民年金がかかりません。また、家族を養っている側の方は支払う税金の負担が軽減される「扶養控除」という制度が適用されます。
ただし、扶養に入って生活している方が一定金額以上の稼ぎがあると扶養から外れて扶養控除の適用対象外になってしまいます。
扶養が外れてしまうのはいくらから?
扶養内で働くには?
扶養には「税制上」と「社会保険上」の2種類があります。
家族を養っている納税者の配偶者や子供など、被扶養者の年間合計所得金額が48万円以下の場合、納税者の所得から一定金額を控除することが出来る制度です。
税制上の扶養を受けるには、給与収入であれば年間103万円以下という条件があります。
被扶養者の給与所得が103万円を超えてしまうと扶養控除や配偶者控除から外れてしまいます。
その場合、自分で所得税と住民税の納税の義務が発生します。
家族を養っている方が加入する健康保険や厚生年金の被扶養者になる制度です。
扶養されている方は扶養者と同じ社内保険に加入できるため、自分で社会保険料を支払う必要がありません。
社会保険は扶養者の配偶者と3親等内の親族までが対象範囲です。
また対象になるためには、被扶養者アルバイトやパートの年収が130万円未満、配偶者の収入の2分の1未満であることが条件となっています。そのため年収130万円以上になってしまうと扶養から外れてしまうのです。
その場合は、自分で社会保険料を支払うか、国民健康保険に加入して健康保険や年金保険料を支払う必要があります。
配偶者控除と扶養控除の違い
扶養控除は、種類が2つあります。
扶養している対象者が「配偶者」か「それ以外の親族」かの違いです。
- 「配偶者」を扶養している場合は配偶者控除・配偶者特別控除
- 「それ以外の親族」を扶養している場合は扶養控除
以上のいずれかが適用されます。
配偶者控除とは、納税者の配偶者が一定の金額の所得控除を受けられるというものです。
例えば、貴女が主婦の場合。
一定の条件を満たせば扶養者である旦那様の所得から「配偶者控除」を差し引くことが可能です。
旦那様の所得によって金額が異なりますが、13万〜最大38万円まで控除されることとなります。
配偶者控除は、被扶養者である貴女の年間合計所得が48万円以上だと対象外となってしまいます。
ただし、旦那様の年間合計所得が1,000万以上(年収1,195万円以上)の場合は、貴女の所得額に関係なく配偶者控除を受けることが出来ません。
配偶者控除がもらえない場合はどうしたらいいの?
配偶者控除の対象外だった場合、年間133万円(年収で201.6万円)まであれば、配偶者特別控除という控除の対象となります。
配偶者特別控除は、配偶者に配偶者控除を超える所得がある場合でも一定の所得までは所得控除が受けられるというものです。
配偶者特別控除は、年間所得に応じて段階的に減額となります。こちらも配偶者控除同様、旦那様の年間所得が1,000万円以上だと受けることが出来ませんので注意が必要です!
扶養控除とは、配偶者以外の親族を扶養している場合に、納税者が一定の所得控除を受けられるというものです。
例えば貴女が学生だとして、親御さん(納税者)の扶養内で働きたい場合、親御さんの所得から最大38万円の「扶養控除」を差し引くことが出来ます。
年間所得金額48万円以下にしておけば、税制上と社会保険上どちらの扶養からも外れることはありません!
年間75万円以下であれば、勤労学生控除という制度の対象となり扶養から外れずに働くことが可能です。
生活費を稼ぎながら働いている学生(高校生・大学生)を対象に、一定の条件を満たしたら受けられる所得控除のことです。年収130万円以下であれば対象となります。
親御さんの扶養内で働きたい場合は、年間所得を48万円以下に抑えておくと良いでしょう。
103万円の壁とは?
よく扶養の話で出てくる103万円の壁って?
103万円とは扶養内で働くためのボーダーラインのことを指します!
給与所得が103万円を超えてしまうと扶養から外れてしまい、配偶者控除を受けられなくなります。
※ちなみに所得とは、収入から必要経費を引いた金額を指しています!
しかし103万の壁と言われていますが、扶養控除の上限は年収100万と103万円の2つあります。
それぞれ説明していきます!
住民税が発生します。貴女のお住まいの都道府県・市区町村によって異なりますが、東京都にお住まいの場合、100万円超えてしまうと自分で住民税を納税する義務が発生します。
住民税は、都道府県・市区町村に支払う税金のことです。
住民税は給与所得に関わらず一律に支払う「均等割」と、給与所得に沿って支払う「所得割」の合計で金額が確定します。
均等割+所得割=住民税
課税基準に満たない1年間の収入総額が93万円〜100万円であれば、住民税は発生しません。
※各地域によって異なりますので、詳しくは、お住まいの自治体でご確認ください。
次に103万円の壁について説明していきます!
所得税の扶養控除が外れて、貴女自身で所得税を納める必要があります!
所得税は収入に対してかかる税金のことを言います。
なぜ103万円金額なの?
この金額は、給与を貰っている人が必ず差し引くことが出来る「給与所得控除」の55万円。
所得から必ず差し引くことが出来る「基礎控除」の48万円。
給与所得控除55万円+基礎控除48万円=103万円の計算です。
パートにより得る収入は、通常給与所得となります。給与所得の金額は、年収から給与所得控除額を差し引いた残額です。給与所得控除額は最低55万円ですから、パートの収入金額が103万円以下(給与所得控除額55万円に所得税の基礎控除額48万円を加えた金額)で、ほかに所得がなければ所得税はかかりません。
【国税庁】パート収入はいくらまで所得税がかからないのか
ただし、扶養から外れる条件はチャットレディを専業でやっているのか、副業でアルバイトやパートとして働いているのかによって異なります。
扶養から外れる条件とは?
専業チャットレディ
専業チャットレディとして働いている場合は、合計所得金額48万円以上稼ぐと扶養から外れてしまいます。
先程説明した給与所得55万円の控除はアルバイトやパートで働いている場合のみ適用されます。
チャットレディは個人事業主として報酬を貰っているため、給与所得控除が適用されないのです。そのため基礎控除の48万円を超えてしまうと扶養から外れてしまいます。
副業チャットレディ
チャットレディの所得金額が年間48万円以上、パートやアルバイトの所得が年間55万円以上で扶養から外れてしまいます。
副業で働いている場合は、チャットレディの収入に基礎控除48万円、パートやアルバイトの収入に給与所得控除55万円が適用されます。
それぞれの収入が控除額を超えてしまうと扶養では無くなってしまうのです。
2022年10月適用範囲拡大!社会保険の扶養の範囲を理解しよう
扶養には「税制上」と「社会保険上」の2種類あると紹介してきました。
このうち「社会保険上」の扶養に関して法改正があり、2022年10月以降は適用条件が変わりました。
詳しく紹介していきます。
扶養の範囲内でチャットレディのお仕事をしている方は重要となるので確認しましょう!
アルバイトやパートの年収が130万円を超えると扶養の条件から外れてしまいます・・・。
扶養の条件から外れると、自分自身で社会保険料を負担する必要があります。
130万円を超えると社会保険に加入しなければならないため、「130万円の壁」とよく言われています。
130万円の壁とは別に、「106万円の壁」というものがあります。
これは2016年の社会保険の法改正に関するものです!
以下の条件に全て当てはまると社会保険に加入する必要があります。
以下の条件が当てはまり、年収106万円以上だと社会保険加入の必要があるため「106万円の壁」と言われています。
- 従業員数が501人以上の企業に勤務
- 月額賃金が8.8万円以上(年収106万円以上)
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 1年以上の雇用期間が見込まれること
- 学生ではない
さらに、2022年10月に社会保険の適用範囲が拡大されることになりました。
「106万円の壁」の条件だと、従業員数が「501人以上」の会社に勤務していることが条件でしたが「101人以上」の会社に勤務していることが条件となります!
- 従業員数が101人(※変更)以上の企業に勤務
- 月額賃金が8.8万円以上(年収106万円以上)
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 2ヶ月以上(※変更)の雇用期間が見込まれること
- 学生ではない
主婦の方で、パートと掛け持ちでチャットレディをしている場合は、この新しい適用条件に自分が該当するかどうか確認しましょう!
無申告に注意しよう
チャットレディには、年末調整がありません。その代わり、確定申告を行う必要があります。
専業チャットレディの場合は年間所得が48万円以上、副業で働いている方は、チャットレディの報酬が年間20万円以上で確定申告の対象となります。
無申告だと無申告課税が発生してしまうので、通常よりも多くの税金を支払わなければなりません。働き方によって、対象となる金額は異なりますが周りにバレないためにも忘れず確定申告を行うようにしましょう。
まとめ
今回は、扶養控除・配偶者控除について紹介してきました。いかがだったでしょうか?
税金の問題って難しいですよね・・・。
まとめると、扶養控除から外れないように働くには、年間48万円以下の所得を保つように働くしかありません。金額を超えた場合は、住民税・所得税をきちんと支払いましょう。
扶養控除・配偶者控除をしっかり理解しておくことは家族にバレないためにも大切なことです。チャットレディとしての収入をきちんと確認しながら扶養内で働くための対策を行いましょう。
また、扶養の対象となる所得金額や、控除の条件である納税者の所得などは税制改正によって変わることがあります。常に最新の情報を手に入れることも大切です。このコラムでは新しい情報を常に発信していますので、参考にしてみてくださいね。
分からないことがあったら、店舗スタッフに気軽に相談してくださいね!